沼高保存の尾瀬ヶ原泥炭層

「安達標本」の研究続く


 沼田高校は3月16日、沼田市在住の地質学者の久保誠二さん(90)による「沼高保存の『尾瀬ヶ原泥炭層』研究成果中間報告会」を開き、OBなど約70人が聞き入った。

 この標本は、昭和9年に来県した昭和天皇にお目に掛けるため、当時の県立沼田中学校(現沼田高)の安達成之校長が中心になり、尾瀬ヶ原中田代の泥炭層を垂直・柱状に掘削して得たことから「安達標本」と呼ばれている。

 平成7年に、県立自然史博物館に展示するため縦に2分されて、その際に「剥ぎ取り標本」が作られ、沼高と同博物館に保管されている。

 沼高同窓会の支援による同校創立120周年記念事業の一環で、久保さんを中心とする「安達標本分析グループ」が今回初めて分析を行った。

 同校卒業生でもある久保さんは「在校中に見た安達標本は、みずみずしい黒ようかんのようだった」と振り返り、「再会した標本は乾燥して固まって12層の白い火山灰層があり、その中に尾瀬の燧ケ岳が噴火して噴出した可能性がある火山灰があった。炭素14年代測定法によると標本の最下部は4110年(誤差23年)前と判明した」などと報告した。

 報告会の後、分析グループ員が公開された標本を手に取って説明し、見学者がのぞき込む場面もあった=写真=。井熊開三同窓会長は「この尾瀬の資料は、沼高の財産。後世に伝えていきたい」と話し、市内から参加した男性は「貴重な物が地元にあると分かった」と話した。

現在、尾瀬ヶ原は国立公園特別保護地区に指定され、同様の泥炭層の掘削はほとんどできない。